研究課題/領域番号 |
12470155
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
日和田 邦男 愛媛大学, 医学部, 教授 (00108391)
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研究分担者 |
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260385)
北見 裕 愛媛大学, 医学部, 助手 (10234270)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 血小板由来成長因子α-受容体 / 血管平滑筋細胞 / C / EBPδ / トランスジェニック・ラット / 遺伝子発現 |
研究概要 |
血小板由来成長因子(PDGF)は血管平滑筋細胞(VSMCs)の強力な細胞増殖因子の1つであり、PDGF受容体(PDGFR)を介してその生理活性を発揮する。動脈硬化の初期病変ではVSMCsにPDGFおよびPDGFR発現が亢進していることが知られており、以前から私たちはVSMCsにおけるPDGFα-受容体(PDGFαR)遺伝子(PDGFαR)の発現調節に関する研究を進めてきた。PDGFαRプロモータ領域に関する研究により、その基本的な転写活性にはCCAAT/enhancer-binding proteins(C/EBPs)ファミリーのメンバーの中でC/EBP一δが主要な転写活性化因子であることを報告してきた。本研究はこのことをin vivoの系で検証するために、血管平滑筋特異的C/EBP-δ過剰発現ラットを作出し、血管平滑筋組織より単離したVSMCsにおけるPDGFαR発現とPDGFに対する細胞増殖能を検討した。平滑筋特異的遺伝子発現のために、SM α-アクチン遺伝子プロモータにC/EBP-δcDNAを連結した遺伝子を作製し、マイクロインジェクション法により受精卵に導入してトランスジェニック(Tg)ラットを作出した。このラットは血管平滑筋に特異的なC/EBP-δ過剰発現を認め、大動脈平滑筋より単離したVSMCsにC/EBP-δおよびPDGFαRの過剰発現を認めた。PDGFに対する細胞増殖能をBrdU取り込み率で比較した結果、non-Tg由来の細胞に比べTg由来細胞で細胞増殖能は有意に増加していた。これらの成績から、VSMCsにおけるPDGFを介する細胞増殖能に対するC/EBP-δの新しい役割が明らかにされ、C/EBP-δは動脈硬化病変に対する新しい治療的な標的因子になるものと考えられた。
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