研究課題/領域番号 |
12470163
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
今泉 益栄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40191895)
|
研究分担者 |
鶴沢 正仁 愛知医科大学, 教授 (90172064)
土屋 滋 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30124605)
井田 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
堀部 敬三 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30209308)
月本 一郎 東邦大学, 医学部, 教授 (70100964)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
キーワード | Acute promyelocytic leukemia / all-trans retinoic acid / PML / RARa / mutant PML-RARa / ATRA-resistance / minimal residual disease / MRD monitoring |
研究概要 |
日本における小児がん研究グループ(CCLSG, TCCSG, JACLSおよび東北グループ)の共同研究として小児APL患者のPMI/RARaキメラ遺伝子解析検出による微少残存腫瘍(MRD)検出を行い、MRDモニタリングの再発予測および治療評価における有用性を検討した。 [症例および治療]寛解導入療法により寛解を得た小児APL患者34名。治療プロトコールは、ATRAと多剤併用化学療法を交互に独立したコースで投与する「APL-ATRA(A群)」および、ATRAとアントラサイクリン系抗がん剤中心の化学療法を同一コースで投与する「AML99-M3(B群)」で行われた。A群およびB群は各々17および17名で、両群に性別、診断時の年齢、白血球数に差を認めなかった。平均観察期間はA群(24ケ月)がB群(12ケ月)より長期間であった。 [方法]治療前および治療経過中の患者骨髄血を用い、Suzukiらの方法(Tohoku J Exp Med 193:127-139,2001)によりキメラ遺伝子を検出した。 [結果](1)血液学的再発とMRDの関連:34例中5例に寛解後のMRD陽性を認めた。この4例中、血液学的再発に先行してMRD陽性を確認できたのは1例、再発前骨髄がMRD陰性であったものが3例であった。再発を認めない症例でMRD陽性を示したもの4例であった。(2)治療プロトコールとMRDの関連:A群およびB群における血液学的再発は、各々4および0例であり、MRD陽性例は各々4および1例であった。 [考察]再発を認めたA群において先行するMRD検査で再発を予測することは困難と考えられた。その主要な原因は少ないMRD検査回数が要因であるが、MRD陽性と血液再発が相関しないことから、再発予測は困難であると考えられる。一方、再発を認めないB群ではMRD陽性は17例中1例のみであり、A群との比較により、血液学的再発とMRD陽性頻度とは正に相関を示した。
|