研究概要 |
結核体質/アレルギー体質関連遺伝子多型解析: 1.結核体質 ・細胞内寄生性細菌感染症におけるThl関連サイトカインの解析:細胞内寄生菌感染症では感染早期からin vivoおよびin vitroにおいてIFN-γが強く誘導され、その産生にはIL-12,IL-18 IL-15が関連していた。これらの機能異常は結核体質を呈することを示唆した(Mizuno et al. Clin Exp Immunol 2003)。 ・抗酸菌易感染性症例における感受性遺伝子解析:抗酸菌易感染性例(播種性BCG副反応)の集積を行い、Thl経路に関連した分子であるIFN-γ受容体1、受容体2、IL-12受容体B1、IL-12およびSTA T-1遺伝子解析を行い、日本人ではIFN-γ受容体1の遺伝子異常が主体であることを明らかにした(Sasaki et al. J Infect Dis 2002)。少なくとも結核体質の一部は遺伝子解析が可能となった。 2.アレルギー体質 Th1・Th2関連遺伝子多型と小児アトピー喘息の疾患感受性解析 ・IL-13 receptor, IL-13遺伝子多型について喘息との疾患関連性はみられなかった。 ・CD28,CTLA-4遺伝子多型について喘息との疾患関連性はみられなかった。 ・ヒスタミン受容体(H1,H2)、ヒスタミン分解酵素遺伝子多型について喘息との疾患関連性はみられなかった。 ・IL-4,IL-4R, FcεR, IFN-γ,IFN-γR, IRF-1およびSLAMについて既知または新規多型の感受性解析を行った。IL-4の-590C/TおよびIRF-1の(GT)nにおいてアレルギー体質の指標となることが推測された。SLAMについては新規PhellLeu多型を同定したが喘息との疾患関連性はみられなかった。 少なくともアレルギー体質の一部は遺伝子解析が可能となった。
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