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2000 年度 実績報告書

インフルエンザ脳症の脳内サイトカイン蓄積からみた病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 12470169
研究機関横浜市立大学

研究代表者

横田 俊平  横浜市立大学, 医学部, 教授 (10158363)

研究分担者 宮前 多佳子  横浜市立大学, 附属病院, 助手 (90322354)
森 雅亮  横浜市立大学, 附属病院, 助手 (30254204)
伊部 正明  横浜市立大学, 附属病院, 講師 (00232588)
キーワードインフルエンザ脳症 / サイトカイン / リポポリサッカライド(LPS) / 核内因子
研究概要

インフルエンザ関連脳症は日米医学会議の議論から本邦に特有の病態であることが判明し、また全国疫学調査により特徴が明らかになった。罹患症例は5歳以下の乳幼児に多く、発熱から24時間以内に中枢神経症状を呈しその後全身症状の悪化を来してDICおよびMODSに至る。病態の悪化に一部のNSAIDが関わってもいる。死亡率が約30%と他の急性脳炎・脳症に比較しても極度に重症の疾患であり、病態の解析、病因の追求が緊急の課題である。今回Wisterラットを用いて病態形成におけるサイトカインの役割について解析した。Wisterラットの脳漕部に内径0.4mmの細カテーテルを留置して固定した。髄腔内に5μgのlipopolysaccharide(LPS)を注入し、経時的に細カテーテルより約10μLの脳漕液を採取した。生体液中のサイトカインをpg/mLの単位まで検出できるマイクロ定量法を樹立して脳漕液中の炎症性サイトカインを測定したところIL 6/TNFαが著増する現象を認めた。LPSを増量して髄腔へ注入するとIL 6/TNFα量も増加したが、10μg以上では死亡するラットが増え、このようなラットでは髄腔内IL6/TNFα量は最大値に達した後次第に減少した。IL 6/TNFαの産生細胞についての検討を現在すすめている。すなわち髄腔内にLPSを投与したラットの脳組織についてIL 6およびTNFαの局在をin situ hybridizationにて検討しているが、astrocyte/microgliaにそれぞれのmRNAが検出されている。またastrocyte/microgliaは活性化マーカーであるGFAPの著しい発現が観察され、apoptosisの進行を示す所見も得られており、LPSの受容体であるCD14を発現しているastrocyte/microgliaがLPS投与により活性化され、過剰なIL6/TNFα産生に至り病態を形成していると考えられた。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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