研究課題/領域番号 |
12470172
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
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研究分担者 |
杉村 洋子 東京大学, 医学部・付属病院・小児科, 教務職員
山村 英司 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90230531)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
竹内 隆 三菱化学生命科学研究所, 発生制御, 主任研究員
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キーワード | 心臓 / 心臓神経堤 / 流出路 / Jumonji / マウス胎仔 / ニワトリ胚 |
研究概要 |
・心筋細胞の細胞増殖は生後に停止し、その後いかなる条件下でも増殖は再開されない。この分子機構についてはほとんどわかっていない。本年度、我々はjumonji-cyclin D1カスケードが発生過程における心筋細胞の増殖を抑制することを示し、さらにこのカスケード以外に同機能のカスケードも存在することを見い出した。これらの成果は心筋細胞の増殖制御機構の理解に寄与するだけではなく増殖停止解除法の開発による心筋再生に向けて極めて重要な基盤を提供する。Jumonjiノックアウトマウスの心臓形態解析では、血管系の異常、両大血管右室起始、共通房室弁を見出している。今後さらに標本数を増やしJumonjiノックアウトマウスの心臓形態異常の傾向を検討する。 ・遊走前の心臓神経堤を除去したニワトリ胚心臓は、大動脈-肺動脈中隔が形成されず1本の血管となる総動脈幹残遺を形成する。総動脈幹残遺心での心筋細胞の増殖が変化するかどうかを検討する目的で、BrdUの取り込み実験を行った。総動脈幹残遺心の右心室BrdUの取り込みはコントロールに比べて約1.6倍の取り込み率が増加した。心臓神経堤除去心、ウズラ-ニワトリキメラ心、ウズラ心臓神経堤過剰心、コントロール心の流出路における細胞死をTUNNEL法で検討した。細胞死は流出路のウズラ心臓神経堤細胞、クッション組織内の間葉細胞、心筋細胞に認められた。コントロール、ウズラ-ニワトリキメラ心で細胞死はステージ31〜32に最も多く認められたが、心臓神経堤除去心、ウズラ心臓神経堤過剰心ではステージ34〜35に細胞死が多く認められた。以上のことから心臓神経堤は心筋細胞の増殖、細胞死を調節する可能性が示唆された。
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