研究課題/領域番号 |
12470173
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90138834)
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研究分担者 |
飯田 恵里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40281406)
中野 和俊 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00172362)
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70151313)
伊藤 康 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10307530)
前田 由美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287339)
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キーワード | 脊髄性筋萎縮症 / SMN遺伝子(SMNt) / NAIP遺伝子 / SERF1遺伝子 / 臨床的重症度 / 転写産物 / 遺伝子転換 / SMNc |
研究概要 |
本研究は脊髄性筋萎縮症(SMA)の病因・病態を明らかにして、そのメカニズムに則った治療法の開発を目指すことを目的としている。初年度は主としてSMAの遺伝子解析と転写産物の検討を中心に研究を遂行し、SMN遺伝子の構築と疾患における臨床的重症度との関連を検討した。SMAの原因遺伝子survival motor neuron遺伝子(SMNt)にはコピー遺伝子(SMNc)が存在している。SMA患者ではSMNtが欠失しているが、その欠失の本態には多様性があることが明らかになってきている。SMNtエクソン7またはエクソン7と8の欠失を示すSMA患者30例を対象として、正確な遺伝子欠失範囲を同定し、遺伝子欠失によるSMNtとSMNcの転写産物mRNAの再構成の量的、質的検討を行った。その結果、(1)DNAの検討では臨床的に重症であるI型では主にSERF1遺伝子からNAIPまで、中等症のII型、軽症のIII型ではSMNtのエクソン7またはエクソン7と8の欠失を示していた。(2)II型、III型においてSMNtは欠失しておらず、遺伝子転換をしている例が存在することが分かった。(3)遺伝子転換としてはSMNtからSMNcの配列に転換している例とSMNcからSMNtへ転換している例が存在した。(4)前者の例はSMNcの発現を増加させており、後者の例はSMNt欠失を代償していると推定され、SMAの治療に当たっては、SMNcの発現を増大させること、SMNcをSMNtに変換させることが、臨床症状の軽減化につながると考察された。
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