研究課題/領域番号 |
12470173
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90138834)
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研究分担者 |
飯田 恵里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40281406)
中野 和俊 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00172362)
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70151313)
前田 由美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287339)
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キーワード | 脊髄性筋萎縮症 / SMN遺伝子 / SERF1遺伝子 / NAIP遺伝子 / Hybrid gene / RT-PCR / 塩基配列解析 / 遺伝子変換 |
研究概要 |
今年度は脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因遺伝子であるSMN遺伝子の構築とSMAの臨床的重症度との関係をみるために、SMA患者29例(I型7例、II型11例III型11例)を対象としてDNAおよびmRNAで解析した。DNA欠失の分析ではI型で主にSERF1からNAIPまでの広範囲の欠失を認め、II型、III型ではSMNtエクソン7,8またはエクソン7のみの欠失を認めた。Hybrid geneはDNAで5例、mRNAで5例、合計9例(1例のみDNAとmRNAで検出)で存在した。最高到達運動レベルはhybrid geneのある例では、ない例に比べてやや高い傾向にあった(p=0.16)。RT-PCR産物の直接塩基配列解析では,SMNtの配列が5例でみられた。またクローニング産物の塩基配列解析では、4例で同様にSMNtの配列を認めた。得られた結果より29例のDNAの構築を、真の欠失の群と遺伝子変換の群(DNA診断のレベルでは両群の区別はできない)に分類した。重症のI型では7例すべてが真の欠失を示し、II型では11例中3例が、軽症のIII型では11例中8例が、遺伝子変換を示していた。SMNtからSMNcへの遺伝子変換によりSMNcの量が増えた例とSMNcからSMNtへの遺伝子変換によりSMNtの欠失を代償している例を見いだした。これらは真の欠失を示す例よりも臨床型は軽症になることが示唆された。遺伝子変換が存在するのは軽症のII型、III型であることから、SMN遺伝子における遺伝子変換は臨床症状の軽減化と関係すると考えられた。
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