研究概要 |
表皮水疱症-筋ジストロフィー症候群(epidermolysis bullosa-muscular dystrophy syndrome : EB-MD症候群)は,プレクチンの欠損により発症する先天性遺伝性疾患であり、これまでに世界で10家系のEB-MD症候群においてプレクチン遺伝子の変異が確認されている。今回、患者並びに家族から採血し,genomic DNAを抽出する。genomic DNAを鋳型として PCRにてプレクチン遺伝子のすべてのexonならびにexon-intron境界部分を増幅した。Heteroduplex法により,遺伝子変異を含んでいるexonを推定し,その部分のgenomic DNA塩基配列をシーケンサーにて解析した。その結果、少なくとも日本人EB-MD症候群4家系についてプレクチン遺伝子の遺伝子検索を行い,すべての家系でプレクチン遺伝子の異常を確認し,さらにその変異部位や様式に多様性があることが確認された。さらに、正常表皮細胞および筋細胞におけるプレクチン分布を詳細に検討した結果、プレクチンは皮膚基底膜のみならず、筋組織、とくにサルコレンマに豊富に発現しているタンパクであることが再確認された。
|