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2001 年度 実績報告書

ポジトロン断層による腫瘍血管治療の効果予測法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12470183
研究機関東北大学

研究代表者

窪田 和雄  東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)

研究分担者 堀 勝義  東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00143032)
井戸 達雄  サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (80134063)
キーワード腫瘍血管治療 / 腫瘍血流遮断剤 / AC7700 / 18Fフルオロデオキシグルコース / LY80 / ポジトロン断層 / 転移腫瘍
研究概要

腫瘍の成長は血管の新生・成長に依存しており、腫瘍血管をターゲットにした新しい治療法が注目されている。新規開発されたチュブリン合成阻害剤AC7700は腫瘍血管に作用し、血流を遮断し、腫瘍を壊死に陥らせる薬剤であることが判明した。昨年度までの研究で、この薬剤のラット/マウス移植固形腫瘍への腫瘍血流減少効果、治療効果、その作用の特徴を糖代謝トレーサー18F フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いた実験により明らかにしてきた。本年は、フィッシャーラットに3-メチルコラントレンを一回投与して誘発させた肉腫に対するAC7700の作用を調べた。その結果、移植腫瘍と同様に、原発腫瘍に対しても、著明な腫瘍血流遮断作用が認められ、腫瘍には広範な壊死が発生し、投与後増殖の抑制が見られた。しかし1回投与では腫瘍の縮小は2/5の腫瘍で観察されたのみで、他は1週間後より再増殖した。大きな腫瘍に対する単回投与の効果には限界が有るにせよ、本薬剤が移植腫瘍のみならず、原発腫瘍にも同様な腫瘍血流遮断作用があることが判明し、今後の臨床応用の展開に期待を抱かせる結果となった。また、移植腫瘍における実験では、AC7700投与後の腫瘍血流と糖代謝の変化はパラレルではなく、血流は投与24時間後には回復傾向が出てくるのに対し、糖代謝は低下したままで、腫瘍細胞は最初の血流遮断後、細胞死への過程を辿るのに対し、残存血管あるいは周囲からの拡散などによるわずかな血流の回復が起きていることが考えられた。これはAC7700の抗腫瘍作用の機序を考える上で有用な所見であり、今後オートラジオグラフィーによる実験を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tashiro M, Kubota K, et. al.: "Trends in use of positron emission tomography"The Lancet. 357. 886 (2001)

  • [文献書誌] Kubota K, Itoh M., et al.: "Advantage of delayed whole-body FDG-PET imaging for tumour detection"European Journal of Nuclear Medicine. 28. 696-703 (2001)

  • [文献書誌] Kubota K.: "Changing pattern of lung cancer and its imaging : 201TI SPECT versus 18F-FDG PET"The Journal of Nuclear Medicine. 42. 1497-1498 (2001)

  • [文献書誌] Kubota K.: "From tumor biology to clinical PET : a review of positron emission tomography in oncology"Annals of Nuclear Medicine. 15. 471-486 (2001)

  • [文献書誌] Hori K, Saito S, Sato S, Kubota K.: "Stoppage of blood flow in 3-methylcholanthrene-induced autochthonous primary tumor by a novel combretastatin A-4 delivative, AC7700"Medical Science Monitoring. 7. 26-33 (2001)

  • [文献書誌] Hori K, Saito S, Kubota K.: "A novel combretastatin A-4 delivative, AC7700, strongly stanches tumour blood flow and inhibits growth of tumours developing in various tissues"British Journal of Cancer. (In press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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