3'-deoxy-3'-[^<18>F]fluorothymidine(^<18>F-FLT)の集積は癌の増殖能を反映するとされている。本年度は動物実験にて放射線治療、光線力学治療の前後における^<18>F-FLTの集積を比較し、^<18>F-FLTが癌の放射線治療、光線力学治療の効果判定に有用かどうかを検討した。 C3H/Heマウスにマウス扁平上皮癌細胞SCCVIIを移植し、腫瘍径が6-8mmに達した時点で20GyのX線を一回照射した。X線照射6時間後、12時間後、24時間後、3日後、7日後の時点で担癌マウスに^<18>F-FLTを静脈内投与し、投与1時間後の腫瘍の放射能を測定した。同様に[^<18>F]fluoro-2-deoxy-D-glucose(^<18>F-FDG)の腫瘍集積も測定した。^<18>F-FLTはX線照射前に比較して照射6時間後に集積が著しく低下したのに対し、^<18>F-FDGは3日目において初めて集積が低下した。 腫瘍径が6-8mmのHeLa移植BALB/c-nu/nuマウスを用い、光線力学治療施行後の^<18>F-FLT、^<18>F-FDGの集積を検討した。光増感剤であるATX-S10(Na)6mg/kgを尾静脈より静注3時間後に、670nmのレーザー光を100J/cm^2照射した。照射24時間後に^<18>F-FLT、^<18>F-FDGを投与し、投与1時間後の腫瘍の放射能を測定した。治療前に比較して^<18>F-FLTは腫瘍集積が有意に低下したが、^<18>F-FDGでは有意な腫瘍集積の低下は認められなかった。 ^<18>F-FLT腫瘍集積は放射線治療および光線力学治療において有意な低下を示し、^<18>F-FLTは治療効果判定に有用な放射性薬剤であると考えられた。
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