研究課題/領域番号 |
12470188
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小西 淳二 京都大学, 医学研究科, 教授 (70026970)
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研究分担者 |
佐賀 恒夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (40273445)
小林 久隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (60311734)
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キーワード | アンチセンスオリゴDNA / デンドリマー / 遺伝子キャリアー / インジウム-111 / アビジン |
研究概要 |
まず、安定な新型DTPAキレートを用いて、20塩基よりなるアンチセンスオリゴマーDNA(anti c-erbB-2:癌遺伝子c-erbB-2のプロモーター領域に対するアンチセンス)を部位特異的に、放射性金属核種で標識する手法を確立した。あらかじめチミン残基にアミド基を部位特異的に導入しておいたDNAに、インジウムと強力なキレートを形成する1B4Mを結合させ、そのキレートを介してインジウ云-111や他の金属核種で標識した。これによって、効率よく(標識率>90%)DNAを放射性標識することが可能となった。 次に、DNAと静電気的な複合体を形成する、新型合成ポリアミンであるデンドリマー(第4世代)と、癌細胞に結合することが知られているアビジンを用いて、DNAを選択的に癌細胞に運ぶための担体を合成した。まずデンドリマーに、アビジンと高親和性に結合するビオチンを付加しておき、その後にアビジンと反応させることによって、アビジン-デンドリマー複合体を作成した。DNA単独、デンドリマー/DNA、アビジン-デンドリマー/DNAをそれぞれ作成し、培養細胞を用いて癌細胞への結合性と細胞内への移行効率を検討したところ、デンドリマー/DNAでも、DNA単独の場合より多くのDNAを細胞内に移行させうることが示されたが、アビジンを付加するることによって、細胞への運搬効率はさらに増大した。 また、DNAの担体として、デンドリマーと抗腫瘍モノクローナル抗体との結合体を合成し、この結合体とDNAの複合体が、マウス移植腫瘍に特異的に集積することを示した。 次年度以降は、腹腔内播種モデルを用いて、腹腔内投与されたアビジン-デンドリマー/DNA複合体の腫瘍集積性およびイメージングの可能性を検討する。さらに、より大きなサイズの遺伝子の運搬に向けて、より大きなデンドリマー(第6世代)を用いた複合体の作成を行う。
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