研究課題/領域番号 |
12470188
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小西 淳二 京都大学, 医学研究科, 教授 (70026970)
|
研究分担者 |
佐賀 恒夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (40273445)
小林 久隆 京都大学, 医学研究科, 助手 (60311734)
|
キーワード | アンチセンスオリゴDNA / デンドリマー / 遺伝子キャリアー / インジウム-111 / アビジン |
研究概要 |
初年度(平成12年度)の検討により、アビジン、デンドリマー、アビジン-デンドリマーが、効率よくオリゴDNAを培養癌細胞内に移行させうることが明らかとなった。そこで、本年度(平成13年度)は、マウスの腹腔内腫瘍播種モデルを用いて、これらの担体が放射性標識オリゴDNAを腫瘍へ効率よく輸送可能かどうか、さらにその過程をイメージング可能かどうかについて検討した。 ヒト卵巣癌細胞株(SHIN3)三百万個をヌードマウス腹腔内に投与すると、約三週間で腹腔内に多数の播種巣が形成される。インジウム-111で標識したオリゴDNA(癌遺伝子c-erbB-2のプロモーター領域に対する20塩基よりなるアンチセンス)を担体(アビジン、デンドリマー、アビジン-デンドリマー複合体)と結合させて、三種のインジウム-111標識オリゴDNA/担体複合体を作製、これらを腹腔内播種を有するマウスの腹腔内に投与して、経時的な体内分布を調べ、インジウム-111標識オリゴDNA単独の場合と比較検討した。標識オリゴDNAの播種腫瘍への集積性は、オリゴDNAを単独で投与した場合(投与24時間後で0.8%)に比し、オリゴDNAをこれらの担体と結合させることにより著明に改善し(オリゴDNA/デンドリマー:9.1%、オリゴDNA/デンドリマー-アビジン:14.5%、オリゴDNA/アビジン:24.4%)、また、正常組織への集積は低く、高い腫瘍-正常組織集積比が得られた。さらに、多量のインジウム-111標識オリゴDNAをこれらの担体とともに投与することにより、腹腔内腫瘍の局在のイメージングも可能であった。 アビジン、デンドリマーを利用して作製された担体は、インビボにおいて、オリゴDNAを効率よく腫瘍に運搬可能で、またその過程のイメージングにも応用可能であることが示された。
|