研究課題/領域番号 |
12470196
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
前田 潔 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116251)
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研究分担者 |
橋本 健志 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (60294229)
柿木 達也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40273784)
白川 治 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40243307)
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キーワード | Alzheimer病 / 分子遺伝学 / 発病リスクファクター / ブチリルコリンエステラーゼ / プレセニリン1 / ApoE e4 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
Alzheimer病の分子遺伝学、発病リスクファクター Alzheimer病(AD)の約10%は家族歴を有する家族性AD(FAD)であるが、残りの約90%は孤発性ADである。apolipo蛋白E(apoE)が遅発性FAD病および孤発性ADの発症危険因子であると考えられており、apoE以外には未だ見いだされていない。われわれは弧発性ADを対象として発病リスクファクターの探査を行った。 1.プレセニリン1イントロン(PS1) 遺伝子多型PS1イントロンのアレル1出現頻度は早発性、晩発性ADのいずれにおいても、それぞれの健常対照群とほぼ同じであった。またPS1遺伝子多型とApoE e4多型の間に相関関係は認めなかった。 2.ブチリルコリンエステラーゼ(BChE-K) 遺伝子K多型AD群と健常対照群の間で全年齢、早発性および晩発性のいずれに分類した場合においても、BChE-Kの出現頻度に有意差はなかった。また、晩発性AD群においてApoE e4アレルとBChE-Kの合併出現頻度が有意に高値であるという事実も認めなかった。 3.apoE遺伝子多型 apoE ε2多型についてはADの発症を抑制するという指摘がある。apoE ε2をもつ人は死亡率が高いことを考慮して、発症後の経過年数を短く限定すると、早発性ADにおいてはapoE ε2多型の出現頻度が有意に高く、ε2は早発性ADに対しては、むしろ発症を促進させる方向にはたらくとした報告もなされている。われわれの自験例でも、apoE ε2は遅発性AD、特に女性では発症防御的に作用するのにたいして、早発性ADでは一定の傾向はみられなかった。
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