研究課題/領域番号 |
12470211
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 賢一 徳島大学, 医学部, 教授 (70174208)
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研究分担者 |
桑波田 雅士 徳島大学, 医学部, 助手 (30304512)
伊藤 美紀子 徳島大学, 医学部, 助手 (50314852)
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キーワード | リン酸 / PHEX / 腎機能 / キイロショウジョウバエ / プロテアーゼ / 液性因子 / 骨代謝 |
研究概要 |
我々は新規リン代謝調節ホルモンStanninocalcinおよびPhosphatoninの機能調節を支配するPHEX蛋白の生理作用を解明する目的で、遺伝子工学が容易なショウジョウバエをモデルにPHEXの機能やリン代謝調節系を明らかにすることを試みた。ショウジョウバエcDNAライブラリーから、dPHEX遺伝子のクローニングを行った。dPHEXは他のPHEX遺伝子すべてに保存された亜鉛結合部位やシステインモチーフはdPHEX内でも高度に保存されており、他種と同様ファミリーを形成していることも明らかとなった。またdPHEX遺伝子はX染色体に存在することを明らかにし、ショウジョウバエからヒトまで大きく種を超えて遺伝子座が保存されていることを示した。RT-PCR法により、dPHEXmRNAは初期胚にはやや少ないが、幼虫・成虫に至るまで広い範囲で発現しており、生体内で基本的且つ重要な機能をしていることが示された。またin situ hybridizationによって発現部位を確認した結果、幼虫ならびに成虫の脳に強い発現が見られた。また幼虫時には弱いながら中腸にもシグナルが検出された。これらのことから、PHEXの作用機構はショウジョウバエからヒトまで保存されていると考えられた。今後、dPHEX蛋白質やマウスPHEXタンパク質を過剰発現するトランスジェニックショウジョウバエの作製や、RNA干渉法(RNA-mediated interference:RNAi)によるdPHEX遺伝子を不活化することでPHEX遺伝子の生体レベルでの機能を明らかにする。
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