研究課題/領域番号 |
12470219
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 聡 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40251251)
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研究分担者 |
細井 孝之 東京都老人医療センター, 内分泌科医長 (40240709)
小川 純人 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | 骨粗鬆症 / エストロゲン受容体 / 応答遺伝子 / トランスジェニックラット |
研究概要 |
退行期骨粗鬆症は加齢にともなう骨量の減少が病的に亢進した状態とそれに基づく腰背痛や骨折などの臨床症状からなる症候群である。本症は罹患者とくに高齢者の生活の質を低下させ、その病態の解明とともに予防法、治療法の確立が強く望まれている。本症のうち大きな割合を占める閉経期骨粗鬆症の発症には閉経期における体内環境の大きな変化、つまりエストロゲン欠乏状態への移行に対する適応性の差異が大きく関わっていることが予想される。そこで、本研究は1)骨におけるERα、ERβ受容体の下流に存在する応答遺伝子群の性状を分子レベルで解明し、2)遺伝子改変動物とヒト遺伝学的解析を用いて生物個体レベルでERならびにそれら応答遺伝子の骨代謝における機能を解析することにより、両受容体と応答遺伝子の生理的役割、病態における意義を明らかにすることを目的とする。本年度は、ERαとERβ両方のシグナルを阻害するドミナントネガティブ体ERα1-535を見出し、これを人工的に発現させたトランスジェニックラットを作製してERの生体内での機能を検討した。これらラットの雌をSham手術群、卵巣摘除群、卵巣摘除後エストロゲン補充群にわけて処置し骨量を測定したところ卵巣摘除後エストロゲン補充群においては野生群でエストロゲン補充が奏効して骨量減少がおきないのに対して、トランスジェニックラット群において骨量減少をおこし、エストロゲンへの低応答性を示した。このトランスジェニック動物では、骨代謝においてエストロゲンに対する標的遺伝子の応答が低下しているものと考えられ、エストロゲン応答遺伝子の生体内での機能解析に有用なモデル動物が開発された。これらの研究は、骨粗鬆症におけるエストロゲン作用のカスケードを解明するために重要な役割を担う。
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