研究課題/領域番号 |
12470226
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 東京女子医科大学 (2001) 東京大学 (2000) |
研究代表者 |
後藤田 貴也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60322062)
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研究分担者 |
山田 信博 筑波大学, 医学部, 教授 (40200729)
大橋 健 東京大学, 医学部, 医員
石橋 俊 自治医科大学, 医学部, 教授 (90212919)
須藤 貴子 東京女子医科大学, 医学部, 助手
岩本 安彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60143434)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | インスリン抵抗性 / 遺伝子 / モデル動物 / 9番染色体 / QTL |
研究概要 |
高血圧自然発症ラット(SHR)はインスリン抵抗性症候群のモデルの動物である。SHRの交配に由来するF2群、(n=151)を作製して、12週齢時に体重、血圧、血液データなどを測定し、また単離脂肪細胞でのインスリン刺激後の糖取り込み(G)およびカテコラミン刺激後のNEFAの産生(N)を調べ、QTL(qnantitative trait locus)解析によりSHRのインスリン抵抗性原因迫伝子を探った。その結果、3番染色体近位端に、血圧と体重、および(G)と(N)に強く連鎖するQTLの集族を認め、QTL領域内のD3Rat54近傍に原因候補遺伝子KAT-7(kynurenine aminotransferase-1遺伝子)を同定した。そして、SHRのKAT-1に特異的なミスセンス変異(E61G)を同定し、発現した酵素活性のkineticsを調べることにより、E61G変異は酵素活性に影響を与える機能的変異であることを確認した。次いで、ラットKAT-1のヒト相同遺伝子であるCCBL1(cysteine conjugate-beta lyase)遺伝子の多型の検索を行い、それらとヒト疾患との相関に関して基礎的な検討を加えた。その結果、24名の日本人を対象としたSSCP解析では、ヒトCCBL1遺伝子のプロモーター領域を含むDNA断片に移動度の違いを認め、塩基配列を調べた結果、開始コドンの237塩基上流にシトシン(C)とチミン(T)による一塩基多型を同定した。そして、C-アリルとT-アリルの頻度はそれぞれ、正常群では0.59と0.41、糖尿病患者群では0.65と0.35であり、糖尿病患者群において、T-アリルをもつ者では空腹時血糖とHbAlc値が低値となる傾向(P=0.08)が見られた。CCBL1はヒトの9番染色体(9q22)に局在し、その領域は2型糖尿病や高血圧、内臓脂肪量との連鎖が報告されており、本遺伝子がヒトのインスリン抵抗性症候群の成因に関与している可能性が示唆された。
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