研究課題/領域番号 |
12470227
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
吉川 隆一 滋賀医科大学, 医学部, 学長 (50093406)
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研究分担者 |
古家 大祐 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (70242980)
羽田 勝計 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (60164894)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | メサンギウム細胞 / TGF-β / Smad / Ac-SDKP / ピオグリタゾン / fibronectin / AP-1 |
研究概要 |
糖尿病性腎症の特徴である細胞外基質の過剰蓄積に、Transforming growth factor-β(TGF-β)が重要であると考えられている。本研究では腎糸球体メサンギウム細胞を用いて、TGF-βによる細胞外基質蛋白の発現に関与する細胞内情報伝達機構の解析と、TGF-βの情報伝達経路を抑制する薬剤、物質としてインスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンとアンジオテンシン変換酵素阻害薬服用時に血中濃度が増加するN-Acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-proline (Ac-SDKP)に注目し、TGF-βによる細胞外基質蛋白発現と細胞内情報伝達経路に対する効果を検討した。培養メサンギウム細胞において、TGF-β1はSmad2、3、4およびERK、JNKを活性化した。TGF-β1はfibronectinの発現を増加させ、特異的MEK阻害剤(PD98059)はSmad経路に影響を与えず、TGF-β1によるfibronectinの遺伝子発現を抑制したことから、TGF-β1によるfibronectinの発現にはMEK-ERKカスケードの活性化が重要であることが示唆された。ピオグリタゾンはTGF-β1によるERKの活性化に影響せず、AP-1の活性化を抑制することにより、fibronectinの発現を抑制した。Ac-SDKPは、TGF-β1によるplasminogen activator inhibitor-1とtype 1 collagenの発現を抑制した。Ac-SDKPはTGF-β1によるSmad2、3の活性化、及びSmad結合領域を含むレポーター活性を抑制したが、TGF-β1によるERKのリン酸化には影響を及ぼさなかった。過剰発現させたSmad7はAc-SDKPにより核から細胞質に移行したことから、Ac-SDKPはSmad7を介してSmad経路を抑制していることが明らかとなった。
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