研究課題/領域番号 |
12470228
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清野 裕 京都大学, 医学研究科, 教授 (40030986)
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研究分担者 |
山田 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60283610)
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キーワード | 膵Β細胞株 / Tet expression system / SAGE法 / 転写因子 / 標的遺伝子 / GLUT2 / 分化・増殖 |
研究概要 |
本計画では転写因子HNF1α、Pax4、Pax6、Nkx6.1に焦点を当て、標的遺伝子の単離同定などによって、転写因子と膵β細胞機能の関連を明らかにすることを目的とする。 転写因子HNF1αは、インスリン分泌低下を特徴とするMODY (maturity-onset diabetes of the young)3の原因遺伝子であるが、研究代表者らは、HNF1αの機能と糖尿病発症の関連を検索する目的で、HNF1αと膵β細胞に特異的に発現する糖輸送担体GLUT2の遺伝子発現への関与を検索した。GLUT2遺伝子ないしはその変異遺伝子を用いたレポーター遺伝子発現実験や結合実験によって、GLUT2遺伝子の+200から+218の配列がHNF1αによる発現調節に重要であることを明らかにした。さらに、two-hybrid法や免疫沈降法を用いることによって、HNF1αの転写活性調節領域である391番から540番目のアミノ酸は、転写のco-activatorであるp300の2ヶ所(180番目から662番目及び1818番目から2079番目のアミノ酸)と相互作用し、転写活性化に繋がることを明らかにした。したがって、HNF1αは、GLUT2の5'非翻訳領域に結合し、転写のco-activatorであるp300との相互作用で、GLUT2遺伝子を活性化することが明らかになった。 転写因子Pax6について、自然発症Pax6変異ラットを用い検索した結果、ヘテロ欠損マウスでは膵島における野生型Pax6蛋白の発現量がかえって増加しており、フィードバックループの存在Pax6発現量を調節していることが示唆された。
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