研究課題/領域番号 |
12470229
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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研究分担者 |
水野 昭 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219641)
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10218349)
土井 俊夫 徳島大学, 医学部, 教授 (60183498)
島袋 充生 琉球大学, 医学部・附属病院, 講師 (60271144)
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
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キーワード | 長鎖脂肪酸 / 高血糖 / 脂肪毒性 / カルニチン / カルニチン輸送担体 / JVSマウス / 膵ラ氏島 / グルカゴン |
研究概要 |
長鎖脂肪酸は高血糖を起こす毒である(Lipotoxicity)。これについては異論はない。しかしその細胞内メカニズムはわかっていない。 JVSマウスは、カルニチン輸送担体(octn 2)が欠損しカルニチンの細胞内濃度が10%以下なので、acyl-CoAが大量に蓄積していると考えられる。そこで、JVSマウスを使って、基本的病変を分析することにした。本年度は膵β細胞と心筋細胞を分析対象とし、研究実績の概要は以下の通りである。 1.膵ラ氏島の組織学的分析:JVSマウスでは、controlに比し、PCNAの染色が悪く、グルカゴンの染色は強くpancreatic polypeptideの染色は弱かった。しかし、インスリンについては差はなかった。 2.心筋細胞のカルニチン輸送活性の分析:Kaneko & Goshimaの方法により培養心筋細胞を調整し、[^3H]-Carnitineの取り込みから、カルニチン輸送活性を分析した。その結果JVSマウスではsaturable uptakeが障害されており、正常血漿遊離カルニチン濃度である25μMでは、正常対照の約20%であった。 3.心臓のカルニチン濃度と2-DGの取り込み率の分析:生後2、4、8週令のJVSマウスの心臓内遊離カルニチン濃度は、対照の1.1%、3.2%、2.4%であった。2-DGの取り込み率は、JVSでは27.0±7.9μmol/100g心重量/分であり、正常対照(2.4±0.3)の約11倍であった。 また、肥満糖尿病モデルOLETFおよびZDFラットで、経口血糖負荷試験、SSPG+SSPI(steady state plasma glucose+insulin)を行ない、著明なインスリン抵抗性が存在することを確認した。同時にangiotensin受容体阻害薬およびphosphodiesterase阻害薬がこれを改善することを確認した。
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