研究課題/領域番号 |
12470233
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 教授 (40091566)
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研究分担者 |
河野 透 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60215192)
柿坂 明俊 旭川医科大学, 医学部, 講師 (60194677)
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝臓 / 肝膵相関 / 遊離肝細胞 / 膵ラ氏島 / 胎児肝 / 胎児膵 / ゲル包埋肝細胞 |
研究概要 |
生体における主な物質代謝と解毒・排泄機能を担う肝臓は、極めて複雑な酵素系により生命維持に重要な役割を果たす。従って、その重篤な機能不全は致死的であり、究極の治療法は臓器移植であるが、最大の問題点はドナー不足である。一方、肝臓は再生力の旺盛な臓器なので、何らかの方法で危機を脱すれば救命の可能性があり、人工肝臓への期待が高まる。肝臓は、膵臓と臓器相関を示すことで生体のエネルギー代謝、ホメオスターシスに関わっている。近年の分子生物学は、生体機能の高度な発現に細胞、サイトカイン、マトリックスの相互関連が重要である事を示した。このようなことから、本研究では、肝細胞療法の基礎的な機構として、肝膵相関に着目し、再生医工学的観点からバイオ人工肝臓の構築を試みた。 1.生体材料の採取と評価 (1)肝細胞分離法は、コラゲナーゼ酵素循環灌流法を基本とし、viability90%以上の肝細胞5×10^7ヶ/g肝重量が得られた。機能の評価には、静置培養による形態学的観察、アンモニア負荷テスト、薬物性急性肝不全ラット脾内移植による救命率などで行い、良好な結果を得た。 (2)膵島分離法は、コラゲナーゼ恒温振盪消化Ficoll不連続密度勾配遠心法で膵島を採取し、機能は静置培養時のグルコース負荷試験、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットへの移植などにより確認した。 2.胎児肝、胎児膵組織の分離と、リアクターcomponentとしての意義:妊娠20日ラットより肝、膵組織片を採取し、形態学的に観察、同系脾内移植により着床を確認した。また、肝膵の混合培養や移植の方が、成績が良い傾向がみられた。 以上の成績から、次年度はEGF、HGF、HSSなどのサイトカインと、各種のマトリックスの併用による機能の高度化を検討し、ハイブリッド型人工肝構築の基礎資料を得る。
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