研究課題/領域番号 |
12470238
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
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研究分担者 |
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
河田 則文 大阪市立大学, 医学部, 助手 (30271191)
寺嶋 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314215)
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キーワード | 肝微小循環 / 星細胞 / 類洞 / 類洞壁細胞 / 生体顕微鏡 / 肝障害 / 肝線維化 / 虚血再潅流障害 |
研究概要 |
【星細胞の収縮・弛緩能・修飾物質】 ラット星細胞を分離培養し、その培地に設置したシリコン膜に皺(wrinkle)を生じさせることにより星細胞の収縮能を確認した。星細胞はトロンビン、アンギオテンシンII、エンドテリン、トロンボキサンA2や細胞外ヌクレオチド(ATP、ADP、UTP)などの刺激に応じて収縮し、プロスタサイクリン、一酸化窒素(CO)、アドレノメジュリンなどで弛緩することが明らかになっている。さらに、NOも重要であることが確認されたが、新たな物質としてROCK/Rho kinase inhibitorであるY27632が注目されるに到ったので、本物質の作用の詳細を検討した。 【急性及び慢性障害肝モデルの作成】肝臓外科病態に関する急性侵襲モデルとして、ラットで肝虚血再潅流障害を惹起すべく、片葉阻血モデルを確立した。また、慢性肝障害モデルとして、TAAによる肝硬変を作成した。両者について生体顕微鏡を用いた肝微小循環を観察し、Y27632の効果を検討した。 【肝門脈圧への影響と肝微小循環測定】 ラット肝潅流実験では、エンドテリンによる門脈圧上昇をY27632が有意に抑制することが判明した。また、生体顕微鏡によるラット肝の検討では、90分の片葉虚血を行い再潅流後2時間までを観察した。虚血により、中心静脈径の狭小化、類洞径の狭小化、類洞潅流率の低下、類洞白血球stickingの増加、中心静脈における白血球膠着の増加が見られ、いわゆる肝微小循環が障害されることが判明したが、Y27632投与するとこれらの変化は最小限に抑制され、肝微小循環の改善に著しい効果があることが判明した。障害肝での検討、Y27632の至適濃度、投与方法の検討、NACでの検討、などは現在進行中である。また、Y27632のこれらの効果の機序も星細胞、内皮細胞、白血球への影響などの観点から検討中である。
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