研究課題/領域番号 |
12470246
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
許 俊鋭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30153232)
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研究分担者 |
河本 修身 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00261967)
田辺 大明 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80281301)
五條 理志 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90316745)
松田 修 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00271164)
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キーワード | Antisense / 心不全 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
前年度の研究では、Phospholambanをターゲットに心不全の分子生物学的アプローチの基礎的な検討を行ってきた。本年度は、Phospholamban antisenseをいかに効率よく心筋細胞に導入し、細胞内の酵素によるOligonucleotideの変性を回避し、その効果を最大限に得ることができるプロトコールの開発を目標に研究を行った。現在まではAntisenseのデザインはS-Oligo型という分子であったが、低い特異性と高い異物性のために臨床応用へと進めたプロトコールはごく僅かであった。そのハードルを克服する為に、1.特異性を高める為に、S-Oligo型ではなくN-Oligo型分子を作成する。 2.ヌクレアーゼの影響を回避する為にアテロコラーゲンを同時投与する。 3.ヌクレアーゼ耐性のMorpholino modified oligonucleotideを使用。 4.Single strand RNAではなくDouble strand RNAを導入することでより高い安定性及び特異性を獲得し得るRNAi(RNA interference)を応用する。 以上の方法を検討した。方法は、マウス胎児心筋細胞培養を行い、Lipofectamineを用いた同一の遺伝子導入プロトコールを用いて上記のantisense oligonucleotideを導入し、Western blottingによりPhospholambanタンパク量の定量化を実施した。いずれの方法も、S-Oligo型分子より有意にタンパク量を減少させていたが、3と4がほぼ同等にタンパクの検出限界にまでPhospholambanを減少させていた。 S-Oligo型分子を用いて、前年度にデザインしたOligonucleotideを心筋症ハムスターの心臓に直接注入することで、Antisense strategyがin vivoにて効果があるかどうかの検討を行った。経胸壁エコーの結果では、一時的には心機能の改善が見られた。今後の課題は、効果の持続の為のプロトコールの作成である。
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