研究課題/領域番号 |
12470247
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石川 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30089784)
|
研究分担者 |
立花 利公 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80163476)
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80189498)
|
キーワード | 肝細胞移植医療 / バイオ人工肝臓 / ES細胞 / アルブミン / プロトロビン / IGF-1 / 胆汁産生 / urea cycle |
研究概要 |
肝硬変や劇症肝炎など様々な肝不全疾患の治療として肝移植医療が行われているがドナー不足の為、実際にその治療を享受されるケースは残念ながら極めて少ない。そこでバイオ人工肝臓の作製やオーダーメードの肝細胞移植法の開発が急務となっている。昨年度までにES細胞より分化させた肝細胞を用いた肝不全ラットへの移植法を確立した。本年度は肝細胞移植ラットの肝機能評価ならびに昨年度作製したハイブリッド型バイオ人工肝臓の機能評価を行った。 [肝細胞移植ラットの肝機能評価]四塩化炭素により作製された肝不全ラットの脾臓にREES-hep細胞を移植した。肝不全ラットの生存率が約30%であるのに対し移植ラットのそれは約70%であった。このことは移植されたES細胞由来のREES-hep細胞が肝機能を有したことを示すものである。移植細胞はアルブミンを合成し、また移植ラットではプロトロンビン時間の短縮、アンモニア値の低下、IGF-1の産生、そしてビリルビン値の低下が認められた。 [ハイブリッド型バイオ人工肝臓]30μmのporeを有するテフロン系の細管を200〜300本1cm径、長さ10cmのガラス管に入れた容器を作製した。そしてテフロン細管外にREE-hep細胞を入れ、容器をローズの潅流培養装置にセットして細管内に培養液が流れる様にした。この装置を用いてアンモニアの代謝すなわちurea cycleが機能しているか否かを30日に渡って検討した。 その結果、urea cycleが活動していることが判明し、またアルブミンの合成分泌、胆汁の産生、IGF-1の産生、血液凝固因子の産生が少なくとも1ヶ月継続することが確かめられた。
|