研究課題/領域番号 |
12470249
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 巖 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60125557)
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研究分担者 |
舟山 裕士 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50192315)
福島 浩平 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20271900)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 腸内細菌 / 炎症性腸疾患 / マイクロアレイ / 上皮細胞 / 無菌 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 |
研究概要 |
腸内細菌叢は、遺伝子改変実験腸炎モデルおよび潰瘍性大腸炎やクローン病などのヒト炎症性腸疾患において、粘膜炎症の発生、増幅、遷延化に重要である。我々は、上皮細胞と腸内常在菌との相互作用とくに防御機構にかかわる分子を同定し、炎症性腸疾患での発現や機能異常を検討することにより病態を解明しうると考えた。遺伝的に正常な無菌マウスにSPFマウスの腸内細菌を強制定着させると、大腸を中心に一過性の激しい粘膜炎症を生した後に必ず沈静化し、4週後には形態的にまた腸内細菌叢もSPFマウスとほぼ同様になる。この間に、マウスは腸内細菌との共生に不可欠な様々な機能を獲得維持し、もはや同じ腸内細菌は炎症を惹起し得ないものと推察される。我々は、宿主の小腸あるいは大腸上皮細胞(または両者)で発現の変化する遺伝子を、Differential Display法とcDNA microarray法によりスクリーニングし、のべ104クローンについてその発現の再現性を確認した。さらに、一部のヒトホモローグの炎症性腸疾患上皮細胞での発現を、分離上皮細胞RNAを用いたノーザンブロットあるいは定量的RT-PCRと免疫組織化学により検討した。その結果、腸内細菌あるいは菌体成分が上皮細胞の遺伝子発現を左右し、炎症性腸疾患ではしばしば正常と異なることが示された。本アプローチによって、未知あるいは従来全く注目されていなかった分子が、生体防御機構を中心とした腸内細菌との相互作用と炎症性腸疾患の病態に関与していることが明らかになるであろう。
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