研究課題/領域番号 |
12470250
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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研究分担者 |
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 講師 (90235367)
安藤 秀明 秋田大学, 医学部, 助手 (00323147)
安井 應紀 秋田大学, 医学部, 助手 (40323141)
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キーワード | 肝幹細胞移植 / 脾内肝細胞 / 門脈結紮肝 |
研究概要 |
大量肝切除や劇症肝炎による肝不全には肝補助・代行が必要で、肝移植が究極の治療とされるが、移植用肝臓の不足と移植関連の高額の医療費は、患者の生命の質と国の経済に著しい負担を与える。人工肝臓も近々には完成され難く、現在実験の域に止まっている。本研究の目的は、培養・増殖可能な肝幹細胞(肝上皮性細胞、以下Lec)を肝から分離・培養・増殖させ、それを高度壊死肝に移植して肝細胞化し新肝臓を作成すること、及び、Lecを細胞工学的に成熟肝細胞にし、肝類似に血行変換をした脾に移植して代用肝を作成することにある。 1、門脈枝結紮肝におけるLecの多量の発現の証明及びその分離培養 我々はラットを用いたモデルにおいて門脈結紮葉から培養・増殖可能なLecを無処置ラットからより効率良く採取できることを確認した。この細胞はalbumin陰性、AFP、cytokeratin19陽性であり、継代培養可能な細胞であった。 2、本細胞の脾臓への移植 本細胞を無処置の脾臓内へ移植した。移植細胞数は107個で、400μlのPBSに浮遊させ、23G針にて直接脾臓へ注入した、脾臓内での生着を確認すると島状に集簇した卵円形の核を有する細胞を認めた。しかし免疫組織染色でのalbuminの発現は認められなかった。また生着している細胞の数は非常に少量で多くが移植時の操作によって細胞が損傷を受けたかもし<は静脈を介して細胞が流出したと推測された。 3、今後の予定 より確実に移植細胞を生着させる方法を検討し、培養Lecの高度壊死肝への移植・肝細胞化による新肝臓の作成を行う。また培養Lecの「肝類似の脾」への移植による代用肝臓の作成を行い、本細胞が有効利用できる手法を解明する。
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