研究課題/領域番号 |
12470259
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
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研究分担者 |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
前田 賢人 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314220)
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キーワード | 核内受容体 / PPARγ / RXR / 細胞内情報伝達因子 / EGF / INFγ / STAT |
研究概要 |
EGF-STAT系、INFγ-STAT系の臨床応用の為の基礎的検討 正常食道上皮にEGFを作用させると分化のマーカーであるインボルクリンの発現が誘導することが判明した。EGF=STAT系およびINFγ-STAT系の増殖抑制効果が得られないKYSE-70においてはEGFRのリン酸化がなされておらず、またINFγの受容体の欠損が明らかとなった。 PPARγリガンドとretinoidによる食道癌増殖抑制 KYSE10株でPPARγのmRNAの発現とPPARγおよびRXRαの蛋白発現を認めた。チアゾリジン誘導体のうちトログリタゾン(TGZ)の単独投与により10株中9株で増殖抑制効果を認めた。また9-シスレチノイン酸(cis RA)との並行投与により増殖抑制効果は増強された。別のチアゾリジン誘導体であるピオグリタゾン(PGZ)の単独投与では増殖抑制効果を認めない細胞株においても9-cis RA酸との併用により増殖抑制が認められた。 PPARγリガンドとretinoidによる作用機序 チアゾリジン誘導体と9-cis RAとの併用による相乗効果の著名なKYSE 270ではルシフェラーゼアッセイにおいても併用によるPPARγの転写活性の増強が認められた。フローサイトメトリーではKYSE 270においてTGZと9-cisRAいずれの単独投与でもサブG1期の増加が認められた。また併用により単独投与時よりもサブG1期の増加が顕著であった。ヘキスト染色ではPPARγリガンド投与により核の凝集と分葉が認められ、さらにPARPの分解が確認されたが、9-cisRAとの併用によりPARPの分解がさらに促進された。細胞周期関連因子ではp21はリガンド投与後48時間までの観察で明らかな発現量の変化を認めなかったがp27はTGZ単独投与群及び9-cisRA酸併用群において経時的に発現の増強が認められた。
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