研究課題/領域番号 |
12470262
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯室 勇二 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252018)
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研究分担者 |
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281730)
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
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キーワード | ずり応力 / Rac1 / 肝再生 / 肝虚血再灌流障害 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
肝再生開始機構におけるずり応力の役割を検討すべく、in vitroにおいて肝細胞、クッパ-細胞、類洞内皮細胞を分離培養し、安定したviabilityを得るまでに至った。これらの細胞にずり応力負荷をかける予定であるが、現在その段階にまで至っていない。また、ずり応力によるシグナル伝達に関与することが予想されるRho GTPaseについて検討すべく、まず変異体Rac1(ドミナントネガティブ)発現アデノウイルス、Ad5N17Rac1をラット線維芽細胞(Rat2)に感染させ、感染細胞を使ったWestern Blotにより、組換えアデノウイルスによる効率的なN17Rac1の発現を確認した。今後、前述の肝細胞、クッパ-細胞、類洞内皮細胞に同様にAd5N17Rac1を感染させその導入効率を確認後、ずり応力負荷を行いたい。一方、肝切除後肝再生モデルにおける検討を行う前に、in vivoにおけるN17Rac1導入効率を検討した。雄性SDラットにAd5N17Rac15x10^5pfu/ratを尾静脈より投与し、72時間後に肝臓を採取し、そのホモジネートを用いたWestern Blot法により、in vivoにおけるN17Rac1の蛋白発現を確認した。また、実際にin vivoにおいてN17Rac1蛋白がRac1活性を抑制しているかを検討する目的で、これまでにin vitroを中心に報告されているN17Rac1蛋白の低酸素再酸素化モデルにおける肝細胞障害の軽減効果を、in vivoにて検討した。つまり、正常ラット、Ad5LacZ感染ラット、およびAd5N17Rac1感染ラットにおいて20分の全肝虚血後再潅流を行い、経時的に肝細胞障害を評価した。N17Rac1発現ラットにおいてのみ、著明な肝細胞障害抑制効果を認め、in vivoで発現したN17Rac1が有効に働くことが証明された。今後、肝再生に対する影響を検討する。
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