研究課題/領域番号 |
12470263
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 耕治 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (30159173)
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研究分担者 |
北原 賢二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30264162)
北島 吉彦 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30234256)
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キーワード | 消化器癌 / MGMT / hMLH1 / メチル化 |
研究概要 |
MGMTはアルキル化剤によるDNA傷害であるO^6-methylguanineからメチル基をはずす修復酵素であり、胆道系はアルキル化剤に暴露する機会が最も多い臓器であることから、まず、胆嚢癌におけるMGMTの意義について検討した。胆嚢癌切除症例9例のMGMT蛋白発現の有無を検索した結果、23例に発現の欠損(Mer-)がみられ、臨床病理学的因子との相関をみると肝浸潤とのみ相関し、Mer-は有意に予後不良であった。これはMGMT発現欠損によりDNAにG:C→A:Ttransition mutationが惹起されうるため、癌遺伝子、癌抑制遺伝子の変異が蓄積されることによると推測される。さらにミスマッチ修復遺伝子との関係をみるためにhMLH1発現の有無について検索した結果、両者の発現欠損は予後不良がさらに増幅することが判明した。これはミスマッチ修復が作動しないことにより、mutationがアポトーシスを回避し、悪性化が増強されることによると推測される。MGMTの発現欠損はmutationではなくメチル化によると推測されているが、これは肝細胞癌について証明しつつあり、次年度はMGMTの下流遺伝子の変異についてシークエンス解析を行う予定であり、さらに他の消化器癌についての検索を進める予定である。
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