研究課題/領域番号 |
12470264
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60117471)
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研究分担者 |
帆北 修一 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (60274833)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (70237577)
高尾 尊身 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (80171411)
栄鶴 義人 鹿児島大学, 医学部, 教授 (00041351)
米澤 傑 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10175002)
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キーワード | リンパ行性転移 / 微小転移 / Tumorgenesis / センチネルリンパ節 |
研究概要 |
これまで申請者のグループは、リンパ行性転移の病態に関して一貫して研究を行ってきた。その中で、リンパ行性微小転移の実態が浮き彫りにされ、その臨床的意義について各方面から検討を重ねてきた。果たして、リンパ行性微小転移は臨床的な転移として、どのように進展していくのか、あるいはリンパ節内でどのように淘汰されていくのか、明らかにする必要がある。そこで本研究では、癌の「リンパ行性微小転移の成立機序とそのTumorgenesis」について研究を進めてきた。 補助金が交付された期間に、この研究によって得られた新たな知見は、臨床材料を用いた研究では、リンパ節内の微小転移には、single cellとclusterを形成するもとがあり、サイトケラチンによる免疫組織化学染色においても前者にはstromal reactionにより死滅傾向にある細胞が存在することが確認された。また、予後の良い癌においては、clusterを形成する微小転移は、従来のHE染色で同定されるリンパ節転移の予後とリンパ節転移陰性の予後の中間に位置づけられた。 動物実験では、MTT Invasion Assayを応用して確立されたリンパ行性高移株を用いて、微小転移の成立機序、特性を検討してきたが、現在までのところ未だ十分な結論を得ていない。一方、B17F1メラノーマ細胞を用いたC56BLマウスにおけるリンパ節微小転移モデル実験においては、興味ある成果が得られつつあり、その一部は既に報告した。すなわち、B16F1細胞を接種すると、接種後10週目にはリンパ節転移を形成するが、その間膝下リンパ節、大動脈周囲リンパ節において、種々の微小転移が確認され、抗腫瘍エフェクター細胞群の浸潤が関与している興味ある所見が得られた。 今後の研究の展開としては、微小転移の癌のキャラクター解析が必要であり、マイクロダイセクッションによる遺伝子解析が必要である。また、臨床的には微小転移を、最初にリンパ節転移が生じるセンチネルリンパ節内での位置付けについて明らかにする必要がある。
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