研究課題/領域番号 |
12470268
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松村 輔二 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80281997)
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研究分担者 |
遠藤 千顕 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80333813)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90323104)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
星川 康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90333814)
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キーワード | 肺扁平上皮癌 / 発癌 / 血管新生 / マトリックスメタロプロアーゼ |
研究概要 |
胸部X線無所見肺癌の発生母地とされる、気管支粘膜の異形成において、血管新生の著名な一群が存在することが報告されている。扁平上皮癌の発生メカニズムの解明と共に、その化学予防という観点からも、扁平上皮癌における血管新生因子の関与を明らかにすることが重要であると考え、本年度は、扁平上皮癌における、血管新生因子であるマトリックスメタロフロテアーゼ(MMPs)とその抑制因子と考えられているthe tissue inhibitors of MMPS (TIMPs)の関与を検討した。対象は扁平上皮癌51例とした。病理病期はIA16例、IB18例、IIA2例、IIB9例、IIIA5例、IIIB1例であった。MMP-2、MMP-3、MMP-9、TIMP-2それぞれに対する一次抗体を用いて、SAB方を用いて免疫染色を行った。51例中、MMP-2抗体の間質細胞陽性例は4例(内訳IIB1例、IIIA3例)で陽性率7.8%、腫瘍細胞陽性例1例(IIB)、陽性率1.9%であった。MMP-3間質陽性細胞は4例(IA2例、IB1例、IIA1例)、弱陽性6例で陽性率19.6%、腫瘍細胞陽性例3例(IA2例、IIIA1例)で陽性率5.9%であった。MMP-9間質細胞陽性例は2例(IIA1例、IIB1例)、弱陽性3例で陽性率9.8%、腫瘍細胞陽性例0であった。TIMP-2間質細胞陽性例は31例(IA9例、IB11例、IIA1例、IIB6例、IIIA2例、IIIB1例)で陽性率60.8%、腫瘍細胞陽性例0であった。MMPsの肺扁平上皮癌の発現率は低く、陽性発現は間質細胞に認めた。TIMP-2の発現率は高く、早期の癌から陽性であることから、肺扁平上皮癌発生のマーカーとなりうることが示唆された。
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