研究課題/領域番号 |
12470273
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白倉 良太 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00116047)
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研究分担者 |
村上 博 日本動物工学研究所, 研究員
岡部 勝 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (30089875)
宮川 周士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90273648)
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キーワード | NK細胞 / HLA-E / HLA-G1 / β_2microglobulin / ブタ血管内皮細胞 |
研究概要 |
HLA-G1に関しては、単独でCHO細胞やブタ血管内皮にtransfectionすることにより、発現を確認した。おそらくはハムスターやブタのβ2mとヘテロダイマーを形成した。またさらに、ヒトβ2mをco-transfectionすることで発現が増加した。次に、signal peptide(SP)部分をHLA-A2とでいれかえたhybrid molecule(HLA-AG)を構築し検討した。元来のHLA-G1との比較では、細胞表面での発原量やNK細胞による細胞傷害率に差はみとめなかった。 HLA-G3に関しては、細胞内と細胞表面の発現を多角的にしらべた。mRNAと蛋白の発現を細胞内で確認した。組織染色で細胞内の発現も確認したが、細胞表面での発現は確認されなかった。ヒトの細胞で内因性にHLA-Eを持つ細胞721.221では、HLA-G3の遺伝子導入で、HLA-Eが発現された。 HLA-Eに関しては、naiveな遺伝子の状態ではCHO細胞、ブタ血管内皮細胞にほとんど発現しなかった。そこで、SP部分をHLA-GやHLA-A2でいれかえたhybrid molecule(HLA-GEやHLA-AE)を構築し検討した。ブタの血管内皮での実験で、これらの分子は発現に差は認めなかったが、NK cellによる細胞障害をHLA-GEでは約50%に対しHLA-AEでは80%抑制した。これは、HLA-GEが抑制レセプターCD94/NKG2Aと活性レセプターCD94/NKG2Cの両方に認識されるのに対しHLA-AEではほぼ抑制レセプターCD94/NKG2Aにのみ認識される事によると考えられた。 また、ブタの血管内皮にHLA-G1を発現させ、NK細胞の制御機能にN型の糖鎖が関係するか調べた。ツニカマイシンでN型の糖鎖を処理することでHLA-G1の機能変化は認めなかった。
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