研究概要 |
HLA-G1とHLA-Eの共発現に関して NK細胞として抹消血単球、YT細胞、標的細胞としてブタ血管内皮細胞(SEC)を使用した。 HLA-Eのリーダーペプチド部分の配列をHLA-G型およびその誘導型に変換するとSEC上に発現するようになり、抹消血単核球PBMC(E/T=30:1)に対してそれぞれ53%、76%抑制した。さらに、これらHLA-G1とHLA-Eの共発現によってNK cell依存性細胞傷害がさらに抑制できることが判明した。また、この作用は攻撃するNKにより、固体差がかなりある事も判明した。 HLA-G1、及び細胞表面の糖鎖抗原の改変 HLA-G(G1)と、糖転移酵素GnT-,α2,6 sialyltransferase(ST),α1,2 fucosyltransferase(FT)をSECに遺伝子導入した。 HLA-G1の発現はFACSにより確認、導入酵素活性はHPLCにて行い、抗原性の変化はヒト血清、1B4レクチンにて調べた。これらのSECにNK細胞を反応させ、細胞傷害率を検討した。 結果は、HLA-GによるNK細胞の抑制効果は糖転移酵素によるものに比べて弱かった。HLA-G+GnT-or FTの場合HLA-G単独にのみより有意に、HLA-G+STの場合HLA-G単独のみならずST単独にもより有意にNK細胞の抑制効果を示した。HLA-Gと糖転位酵素の同時遺伝子導入は異種移植におけるNK細胞の抑制に有効であった。
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