研究分担者 |
西村 元延 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90291442)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00243220)
大竹 重彰 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50243209)
市川 肇 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60303939)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20314312)
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研究概要 |
拒絶反応の抑制についての試みの多くはドナー動物をTransgenic技術を用いて改変するもので、異種移植では実用可能であるが、同種移植では移植時点で既にドナーは存在しており、transgenic的アプローチはできない。即ち、ドナー心摘出後に遺伝子導入するtransfectionを応用する必要がある。組織、臓器に対するtransfectionの試みは国内外で広く行われているが、心血管系への遺伝子導入では効率の良いウイルスベクターはあまり存在しない。我々は、HJVリポゾーム法を応用して心臓に遺伝子を導入する方法を開発し、本年度はnFkB decoy導入により保存心の虚血耐性が向上するか否かを検討した。 長時間浸漬保存心に対するNFkBの結合部位のcis-element"decoy"ODNの導入による虚血耐性獲得効果の実験的検討 対象と方法:SD ratを用い、冠動脈注入によるHVJ liposome法でNFkBの結合部位に対するcis-element"decoy"ODNを導入した心を16時間浸漬保存後、Langendorf灌流下に心機能(HR,LVDP,max dp/dt)、湿重量、水分含有量、組織内白血球数・IL8濃度を測定した。群として、decoy導入群をNF群(N=6)、非導入群をSD群(N=6)とした。結果:NF群はSD群に比較して、心機能(HR,LVDP,max dp/dt)は有意に良好、湿重量、水分含有量及び組織内白血球数・IL8濃度は有意に低値であった。考察:NFkBの結合部位に対するcis-element"decoy"ODNをHVJ lipsome法を用いて遺伝子導入することにより、浸漬保存心の虚血耐性が増加した。このような手技を用いることにより、心保存効果を向上させる新しいstra tegyを開発できる可能性が示唆された。きる可能性があることが示唆された。 今後は,遺伝子導入法にdecoyを用いた手法を応用し,虚血耐性獲得や拒絶耐性獲得のための遺伝子導入法を検討する予定である。
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