研究課題/領域番号 |
12470287
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 均 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90206839)
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研究分担者 |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
那波 宏之 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50183083)
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (80281012)
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キーワード | 難治てんかん / 分子病理 / 皮質形成異常 / てんかん外科 / DNA macroarray |
研究概要 |
本年度は皮質形成異常を中心に臨床病理学的、てんかん外科学的、分子生物学的解析を行った。 1.臨床病理学的解析:皮質形成異常と診断し57例(男33:女24)をPalminiらの分類に従い解析した。海馬硬化の程度はWatsonらの分類に従い、その評価の可能な28例で行った。その結果、GradeIは50例(男:28女22、前頭葉5:側頭葉43:頭頂葉2)、GradeIIは2例(1 : 1、1 : 1 : 0)、GradeIIIは5例(4 : 1、5 : 0 : 0)であった。側頭葉のGI症例と前頭葉のGIII症例を比較すると右:左G122 : 21、GIII4 : 1、平均発症年齢14.2歳、5.0歳、手術時年齢33.1歳、16.4歳であった。GIは圧倒的に側頭葉に多い。一方、GIIIは初発年齢が早く前頭葉に病巣がみられた。海馬硬化の程度と皮質形成異常の程度の問には相関は認められなかった。 2.てんかん外科学的解析:限局性皮質形成異常と腫瘍性てんかん原生病巣であるdysembryoplastic neuroepithelial tumor(DNT)のてんかん外科の手術方法などについて検証、比較した。限局性皮質形成異常はそれ自体高いてんかん原生を有し、DNTはその周辺皮質がてんかん原生を有していることが明らかとなった。それゆえに、手術戦略として、前者には可及的な病変切除が、後者に対しては病変切除に加え、周辺のてんかん焦点の切除が不可欠である、と結論できた。 3.分子病理学的解析:現在、上述の皮質形成異常例に的をしぼり、DNA macroarrayを用い、各種の遺伝子発現について検討中である。
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