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2001 年度 実績報告書

ラットにおける短時間の反復する脳虚血後慢性期における脳循環動態の検討

研究課題

研究課題/領域番号 12470288
研究機関山梨医科大学

研究代表者

貫井 英明  山梨医科大学, 医学部, 教授 (20008303)

研究分担者 大橋 康弘  山梨医科大学, 医学部, 医員
杉田 正夫  山梨医科大学, 医学部, 助手 (70235886)
キーワードcerebral infarction / repetitive ischemia / glutamate / exite-toxity / microdialysis / mGluR agonist / cerebral blood flow
研究概要

【背景および目的】脳虚血に興奮性アミノ酸であるグルタミン酸が増加することはすでに多くの報告がある。虚血が繰り返しおこった場合どのように変化するかについてはほとんど知られていない。全脳虚血の場合には蓄積効果を認めたとする報告があるのみである。【方法】われわれは塞栓糸挿入による中大脳動脈閉塞モデルにて、局所脳虚血によるグルタミン酸の変化を検討した。定位的手術装置で右大脳半球皮質に脳血流(CBF)probeを、また右海馬にmicrodialysis probe挿入した。昨年度購入したlazer dopplar flowmetry、今年度予算で購入したmicrodialysis回路ならびに液体クロマト分析装置にてCBFおよび組織中のグルタミン酸の変化を経時的に測定した。【結果】7分以下の虚血では3回-5回の繰り返し虚血ではグルタミン酸はほとんど上昇せず、蓄積効果も認められなかった。30分の虚血では著明な上昇を認めたが、再開通後に急速に回復、約30分間でもとのレベルに戻り繰り返しによる蓄積効果はなかった。一方で、preconditioningによる誘導抑制効果が期待されたが、有意差が出るには至っていない。グルタミン酸アゴニストであるDCG-IVは有意に虚血時に生じるグルタミン酸上昇を抑制した。この作用は容量依存的に効果を示し、可逆的であった。【考察】今回われわれが得た結果は、局所脳虚血モデルでは全脳虚血とは異なるグルタミン酸の反応を示唆するものである。経時的に脳血流を観察しながら脳の代謝物質を測定した報告はこれまでにはない。グルタミン酸は興奮毒性にて遅発性神経細胞死を生じる原因物質と考えられており、この有害作用をいかに抑制するかは大きな課題である。ごく最近報告された興奮性アミノ酸の抑制についての文献では、グルタミン酸レセプタ(G-タンパク結合性レセプタであるmGluR)アゴニストの中には神経終末部のレセプタに結合し分泌抑制を来すとされ、脳虚血での経時的変化をとらえたのは本研究が最初であると考えている。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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