研究概要 |
虚血モデル動物における神経細胞死メカニズムを検討するために,スナネズミ三分間前脳虚血モデル,脳卒中易発症高血圧自然発症ラット中大脳動脈永久閉塞モデル,視床の二次変性モデルに加え,妊娠最終日のラットより双角子宮を取りだし微温湯に15-20分程度浸して虚血侵襲を与えたのち帝王切開にて胎仔を取りだし蘇生するというプロトコールで作成した周産期仮死モデルも導入し,以上の四つの系に於ける神経細胞死の自然経過をニッスル染色,及びTUNEL染色を用いて詳細に観察した。その結果,各モデル毎に興味深い神経細胞死の様相が見られた。来年度以降,これらのモデルについてより時期の面や,領域の面でより詳細な検討を加えることを計画している。更に既知変動遺伝子の検索のため,スナネズミモデルにおいては,海馬CA1領域を,ラットモデルについては,ペナンブラ領域及び,視床を,周産期仮死モデルでは脳全体を,それぞれ採取しtotal RNAを抽出し,^<32>P-dATP存在下で逆転写反応を行うことによりprobeを作製し,げっ歯類の既知遺伝子がすでにプリントされている膜にラベルしたprobeをハイブリさせたのち洗浄し,BAS system(Fuji)によって可視化し,各モデルに於ける変動遺伝子を同定することを試みた,しかし,技術的な問題で実験は不成功に終わったが来年度以降改良を重ねていく。また,現在reeler mouseを入手し,reeler mouseにおける神経細胞死メカニズムについても検討を加えていく予定である。
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