研究概要 |
脳動脈瘤標本および頸部頸動脈動脈硬化標本よりDNAを抽出し脳動脈瘤壁および頸部頸動脈動脈硬化プラーク内のHelicobacter pylori, Chlamydia pneumoniae, Cytomegalo virusの病原微生物DNA診断をPCR測定装置を用い行った.頸部頸動脈における動脈硬化標本からは極めて高い確率でChlamydia pneumoniaeを検出したが,脳動脈瘤壁の動脈硬化巣からはHelicobacter pylori, Chlamydia pneumoniae, Cytomegalo virusの病原微生物を検出するまでに至っていない. 破裂脳動脈瘤の手術所見すなわち手術用顕微鏡下および神経内視鏡下での脳動脈瘤の外見を詳細に検討した.動脈瘤の長径が7mm以上のほとんどの破裂動脈瘤では動脈瘤壁の一部が脆弱化し破裂にいたったと推察された.長径7mm未満の破裂動脈瘤の約1/2(破裂動脈瘤全体の約30%)では動脈瘤壁の大部分で壁の脆弱化を生じ,初回破裂点以外の動脈瘤部位からでも容易に出血を生じうる状態であった.この動脈瘤病態は動脈瘤壁が急激に形成あるいは伸展したものと考えられた.すなわち比較的新しく動脈瘤が形成され,その直後に破裂にいたったものと考えられた.
|