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2003 年度 実績報告書

脳動脈瘤が破裂に至るメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12470298
研究機関近畿大学

研究代表者

種子田 護  近畿大学, 医学部, 教授 (10236713)

研究分担者 朝井 俊治  近畿大学, 医学部, 講師 (20248008)
片岡 和夫  近畿大学, 医学部, 助教授 (10221178)
キーワードくも膜下出血 / 脳動脈瘤 / 一酸化窒素 / 未破裂動脈瘤
研究概要

疫学的には加齢に従いくも膜下出血の頻度は上昇する.我々は脳動脈瘤と直接的関連のない症例についてMR血管造影を用い無症候性未破裂脳動脈瘤の頻度を検討した。(現在まで約1800症例).30歳未満の症例では未破裂動脈瘤は認めていないが,加齢に従い未破裂脳動脈瘤の頻度は増加する.80歳以上では約7から8%に未破裂動脈瘤を認めるようになる.すなわち20歳代から80歳までの約60年間で未破裂脳動脈瘤の頻度は約7.5%上昇することになる.単純に計算すると1年間におおよそ0.12%ずつ未破裂脳動脈瘤が新生動脈瘤として発生していることになる.さらに我々は無症候性未破裂脳動脈瘤のスリーニングと同時に動脈瘤の存在を否定された症例群についても経時的にMR血管造影を撮影し,新生動脈瘤の発生の可能性についてモニターリングしていた.現時点では380 person-yearの経時的モニターリングを行っているが新生動脈瘤は認めていない.今後症例と観察期間を十分とれば新生動脈瘤の病態をより明らかにすることができると考えられる.
当施設ではこれまで3例の新生脳動脈瘤を確認している.平成15年度に経験した1例は内頸動脈瘤破裂によるクモ膜下出血例である.最初の破裂内頸動脈瘤に対して脳動脈瘤クリッピング後18日に再びクモ膜下出血を生じた.最初,動脈瘤の存在を認めていない前交通動脈に新生動脈瘤の破裂を認めた.この新生破裂動脈瘤の手術所見では動脈瘤全体が脆弱化し,動脈などの周囲組織との癒着が著明であった.我々はこの新生動脈瘤の手術所見を参考にして破裂脳動脈瘤の手術中の病態を詳細に検討した.新生動脈瘤の手術所見とほぼ近似する病態を有する破裂動脈瘤は多くを占めるわけではないが,前交通動脈瘤,サイズの比較的小さいものに認められる傾向があり,全体の破裂動脈瘤の中で20から30%を占めているのではないかと考えている.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 片岡和夫: "Cerebral de novo aneurysm."Clinical Neuroscience. 21. 1266-1268 (2003)

  • [文献書誌] 片岡和夫: "ミクログリア"脳21. 6. 240-244 (2003)

  • [文献書誌] 片岡和夫: "脳損傷とミクログリア"脳21. 6. 267-273 (2003)

  • [文献書誌] Shiozaki T: "Efficacy of moderate hypothermia in patients with severe head injury and intracranial hypertension refractory to mild hypothermia."J Neurosurg. 99. 47-51 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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