研究課題/領域番号 |
12470300
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高木 理彰 山形大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40241707)
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研究分担者 |
武井 寛 山形大学, 附属病院, 助手 (40292437)
井田 英雄 山形大学, 医学部, 助教授 (40184600)
荻野 利彦 山形大学, 医学部, 教授 (60109436)
小林 真司 山形大学, 附属病院, 助手 (60312740)
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キーワード | 人工関節 / 同種骨 / 骨移植 / 再造形 / 骨吸収 / 骨形成 |
研究概要 |
動物実験モデルは、海外共同研究者の助言から、分子レベルでの解析がより容易なラットに変更して加温処理滅菌した同種骨の骨再造形について観察した。大腿骨に空隙を形成後、各0.5、1mm径の同種骨を加温・圧詰しセメントを用いてインプラントを挿入固定した。術後、屠殺前3,7日にテトラサイクリンで骨標識を行い、術後2、4,8週で大腿骨を摘出した。非脱灰硬組織標本を作製後、Villanueva骨染色を行い蛍光顕微鏡にて骨の形態観察を行った。移植後、時間の経過と伴に移植骨周囲にはテトラサイクリンでラベルされる添加性の骨形成が観察された。骨芽細胞性の細胞活動が移植骨周囲に観察されたが、破骨細胞性の活動は顕著ではなかった。移植骨はサイズの違いによって期間中は明かな再造形の違いは認められなかった。今回立案したモデルは、同種骨の再造形過程を観察するのに有用なモデルと思われた。次年度はこのモデルを用いて、観察期間をさらに12、16,20週と延長して骨形態並びに再造形の過程を明らかにするとともに、この再造形の過程に出現する分子群の解析を予定している。さらに、臨床応用を視野に入れ、今年度は同時に、弛緩人工股関節骨動態並びに加温滅菌処理同種骨を用いた臨床例から組織の解析も合わせて行った。弛緩人工股関節の骨動態は高回転型・低石灰型の極めて特殊な骨動態が存在することが明らかとなった。また、加温滅菌処理同種骨を用いた再置換症例からの解析では、移植後6ヶ月には、十分石灰化した骨の再造形が認められた。今後は、基礎及び臨床例の詳細な比較検討から、加温処理滅菌した同種骨の骨再造形の生物学的な過程を明らかにするとともに、至適な同種骨の性状を明らかにするために研究を継続する予定である。
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