研究課題/領域番号 |
12470300
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高木 理彰 山形大学, 医学部附属病院, 助教授 (40241707)
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研究分担者 |
小林 真司 山形大学, 医学部, 助手 (60312740)
荻野 利彦 山形大学, 医学部, 教授 (60109436)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 人工股関節 / 生体親和性 / 骨溶解 / 弛み / 同種骨 / 圧詰骨移植 |
研究概要 |
加温滅菌処理同種骨の骨再造形と人工股関節骨・インプラント境界面の生体反応機構の病態特性を明らかにするために、骨母床と骨の再造形に関する病理学・工学的検討と加温滅菌処理同種骨移植を用いた臨床症例の評価解析を行った。 1.病理学・工学的検討:弛緩人工股関節では、組織中でのMMPの病的な産生の亢進・活性化、MMPの制御因子TIMPの病的な産生の亢進、MMPとTIMPの量的不均衡が明らかとなった。EMMPRIN、fibronectin、laminin、integrin、PGP9.5の組織中での過剰発現がMMP-TIMP系の不均衡に関与する可能性が示された。関節液中には、MMPとTIMP、骨吸収性サイトカインIL-1β、IL-6、M-CSFの増加も示された。関節液は、in-vitroで顕著な破骨細胞の分化誘導能を有し、この過程はOPGの添加によって抑制された。このような病態特性を示す骨母床には高回転型の骨動態が存在し、破骨細胞性と非破骨細胞性の骨吸収機構が明らかになった。骨動態にはメカニカルストレスの存在が重要なことも示唆された。メカニカルストレス下の骨芽細胞動態では、COX-2、MMP-1、MMP-3のmRNAが一過性に有意に上昇しこれらが骨の再造形に関与している可能性が示唆された。病的骨吸収や骨再造形の細胞性反応には人工股関節インプラントの物性も関与する可能性が示唆され、今後の研究課題となった。 2.加温滅菌処理同種骨移植併用人工股関節再置換術の臨床経過の検討:加温滅菌処理同種骨の2-3mm径の細片化処理後のリモデリングは臼蓋側、大腿骨側とも良好であった。臼蓋側では股臼再建プレート使用による移植骨への適正なメカニカルストレスの伝搬が同種骨の再造形に有効に作用し、大腿骨側では、治具を用いた正確な圧詰手技と大腿骨インプラントの至適なアライメントによるメカニカルストレスの有効な伝搬が、加温滅菌処理同種骨の骨再造形に有効であることが示された。
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