研究課題/領域番号 |
12470304
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
遠藤 直人 新潟大学, 医学部, 教授 (10251810)
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研究分担者 |
徳永 邦彦 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (60323987)
堀田 哲夫 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (00272815)
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キーワード | 骨髄間葉系細胞 / 脂肪細胞 / 骨壊死 / 脂肪変性 / 分化 / PPAR |
研究概要 |
骨髄中の脂肪変性と骨壊死との関連を知る目的で、ヒト骨髄細胞を用いた検討を予定していたが、ヒト骨髄細胞の安定供給が困難になり、対象をラットに変更し、以下の基礎データを収集している。 1)ラット骨壊死モデルの作成と解析 当初、ステロイド性ラット骨壊死モデルを作成する予定だったが、壊死は発生しなかった。そこで骨壊死と脂肪変性は虚血状態に暴露された骨髄細胞によって形成されるという観点から、ラット大腿骨頭脱臼による骨頭壊死モデルを作成している。人為的虚血が骨髄細胞に及ぼす影響と脂肪変性機序を解明する予定である。現時点で約6割の確率で本モデル中に壊死が発症し、その組織学的、免疫組織学的解析を施行中である。 2)非荷重下のラット骨髄脂肪化と骨軟骨変性の解析 骨髄細胞の脂肪変性を検討する目的でラットへのステロイド投与を行ったが脂肪変性は認められなかった。尾部懸垂による非荷重環境への暴露は、ラット骨髄内の骨萎縮と脂肪変性を引き起こす。そこで、骨髄内脂肪変性を解明するモデルとしてラット尾部懸垂モデルを使用することにした。現在、大腿骨遠位部骨軟骨組織標本を作製し、骨形態計測学的、免疫組織学的所見について検討している。また、非荷重環境下で起きる骨萎縮と脂肪変性、軟骨の石灰化を阻害する薬剤投与実験も行っており、そのデータの一部を平成13年2月末のアメリカ整形外科基礎学術集会にて発表した。 3)ラット骨髄細胞の脂肪細胞への分化とPPARの発現の解析 転写因子であるPPARαは脂質代謝の、PPARγは脂肪細胞分化に重要な因子である。ラット骨髄細胞の脂肪化に伴うPPARなどの脂肪細胞関連マーカーの発現の変化をパネル化する実験に着手している。骨萎縮や脂肪変性を予防する薬剤投与によるこれらの転写因子発現の変化を観察する準備も開始した。遺伝子発現はライトサイクラーを使用した定量的PCRを行って解析する予定である。
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