研究課題/領域番号 |
12470308
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松下 睦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50229473)
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研究分担者 |
成宮 周 京都大学, 医学研究科, 教授 (70144350)
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | プロスタグランジン / 受容体 / ノックアウトマウス / アゴンスト / 骨形成 / runt-related gene 2(runx2) / core-binding factor α1(cbfal) / 骨形態計測 |
研究概要 |
骨のリモデリングは、今ある骨を吸収することと新たに骨を形成することから成り、骨の量を維持するのに必要なプロセスである。プロスタグランジン(PG)E2は骨吸収と骨形成の両方を促進することがこれまでに知られている。4つあるPGE受容体(EP)サブタイプのうち、いずれかを欠損したマウスにPGE2を投与することにより、そのうちの1つEP4がPGE2の骨形成作用を介する受容体であることが示された。これと一致して、野生型マウスにEP4に選択的なアゴニストを投与すると骨形成が誘導されたが、他の受容体サブタイプに選択的なアゴニストでは骨形成が起こらなかった。野生型マウスから採取した骨髄細胞の培養では、PGE2によりRunx2/Cbfa1(runt-related gene 2/core-binding factor α1)の発現が誘導され、同時にmineralized nodules(カルシウム沈着した骨基質)の形成が促進されたが、EP4欠損マウスから得た骨髄細胞の培養ではこのいずれもが認められなかった。そのうえ、卵巣摘出したラットや片側の坐骨神経・大腿神経の切除により後脚を不動化したラットでは骨の量および強度が減少するが、EP4アゴニストを投与することによりそれらが回復した。骨形態計測からは、不動化したラットでEP4アゴニストは海面骨体積・類骨形成・骨芽細胞数を有意に増加させることが分かり、EP4の活性化により新生骨の形成が誘導されることが示された。さらに、増加した骨表面には対照とほぼ同じ密度で破骨細胞が認められた。これらの結果から、EP4の活性化により新たな骨リモデリングが誘導されること、EP4に選択的なアゴニストは骨粗鬆症の治療に役立つ可能性があることが示唆された。
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