研究概要 |
試作した6輪型電動車椅子(Old6EWC)の雪路走破性は良好であり,10cmの段差をクリアーした.しかし,Old6EWCは鉛蓄電池を用いたパワーユニットを使っているため.容積・重量とも大きい.今回は,車輪内臓型モーターとニッケル水素電池を使った簡易型電動車椅子のパワーユニットを使い,よりコンパクトで重度の身体障害者でも座りやすいプロトタイプ(New6EWC)を開発する. A.New6EWC設計にあたり, 1.駆動輪以外に前輪をパートタイムで駆動する. 2.段差などの障害があるとアクティブにキャスターアップする. 3.重心位置を路面の状況に合わせて変更できる. 等の機構の可能性を探り,そのためのパーツを準備し,設計中である. B.車椅子の走行性能を評価するための,ビデオ画像解析装置の開発も進行中である. C.Old6EWCの雪路走行試験:現在製品化されている簡易型電動車椅子との比較 1.4輪型(Yamaha,JW1):前輪フリーキャスター,後輪駆動型 2.6輪型(Yamaha,JW3),前輪フリーキャスター,センター輪駆動,後輪固定補助キャスター型 3.6輪型(Nissin,Neop2),前輪フリーキャスター,センター輪駆動,後輪固定補助キャスター型 4.試作6輪型(Old6EWC),前輪フリーキャスター,センター輪駆動,後輪パワーステアリング型 これら4種類の電動車椅子の走破性の試験を行っている. a.圧雪路.b.アイスバーン路.は終了,c.シャーベット状雪路は3月に予定している. 以上の結果より,既存電動車椅子を冬期間使用することによって生ずる問題点を明かにする. 来年度は上記C.の試験結果から最も効果的と考えられる構成をもつ動力機構による電動車椅子の設計試作し,雪路走破性試験を行い効果を検討する.同時に安定した座位環境についても検討する.
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