研究概要 |
昨年度は,軽量・コンパクトな電動車椅子を設計するにあたり,現在市販されている電動車椅子の雪路での走行テストを行った.駆動方式の異なる3機種,A)4輪型(イマセンIMC220):後輪駆動型.パワー重量,200Wx2/79kg.パワーウエイト比,P/W=5.06[W/kg].B)6輪型(日進NeoP2):センター輪駆動型.120Wx2/31.3kg.P/W=7.67.C)6輪型(ヤマハJW3):センター輪駆動型.90Wx2/51kg.P/W=3.53.これらの電動車椅子のシャーベット状雪路,スロープ,段差(135mm)での走破試験を行った.その結果,雪路走行では6輪構造で軽量かつパワーウェイト比の大きいNeoP2が、最も成績が良かった. New6EWC設計では,JW3の車輪内臓型パワーユニットを用い,1.できるだけ軽くする 2.駆動輪以外に後輪をパートタイムで駆動する 3.段差などの障害があるとパッシブにキャスターアップする 4.重心位置を路面の状況に合わせて変更できる 等の機構を考え,そのためのパーツを準備した.現在設計が終了し,試作開始したところである.また,車椅子の適応制御法を考慮し,本年度購入した圧分布測定装置(BIG-MAT,ニッタ(株))を用い,不安定な路面状態でも重度の障害者が安定した姿勢で座ることのできるまったく新しいコンセプトの座席構造の設計を行った.昨年度に引き続き,車椅子の走行性能を評価するための,ビデオ画像解析装置の開発も進行中である. 14年度のゴールは,設計試作した車椅子(New6EWC)を用い,雪路での走破性試験を行い検討するとともに,最終モデルを完成させることである.
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