研究課題/領域番号 |
12470315
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 達郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20200818)
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研究分担者 |
坂下 美彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30312937)
田口 奈津子 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80282474)
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キーワード | nociceptin / pre-emptive analgesia / Fos蛋白 / NAALADase / 2-PMPA / 摘出脊髄 |
研究概要 |
行動学的手法と形態学的手法を用いて、nociceptin髄腔内投与のneuropathic pain発症に対するを検討した。Neuro-pathic painのモデルとしては、絞扼性神経損傷モデルと部分神経損傷モデルを用いた。絞扼性神経損傷モデルでは、nociceptinによりthermal hyperalgesiaの発症が抑制され、またFos蛋白の発現も抑制された。一方、部分神経損傷モデルでは、nociceptinはthermal hyperalgesia発症に対しても、またFos蛋白発現に対しても効果がなかった。このことから、neuropathic pain発症メカニズムは、モデルにより異なることが示さた。従って実際の臨床における治療では、患者によりその有効な治療法が異なることが示唆され、今後はより普遍的な治療法の開発が必要であることが示唆された。次に、新たな治療法開発のため、NAALADaseの阻害薬である2-PMPAの研究を始めた。NAALADaseは、mGluR3の強力な内因性作動物質であるNAAGの分解酵素であり、2-PMPAによりNAAG量が増加することが期待される。最初に、2-PMPA髄腔内投与の有効性を検討するため、ラットフォルマリンテストを用いて検討したところ、2-PMPAが鎮痛効果を発揮することが示された。今後は、2-PMPAのneuropathic painに対する効果を検討する予定である。抗癌剤によるneuropathic painモデル作成は、taxsolを用いて行っているが、再現性の良いモデルの作成は未だできていない。 電気生理学的検討に関しては、生後2週のマウスからの摘出脊髄から、脊髄後根を刺激することにより脊髄前根から記録されるslow ventral root potential(slow VRP)が再現性良く記録できるようになったところである。
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