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2000 年度 実績報告書

肺高血圧におけるカルシウム感受性亢進からみた一酸化窒素吸入療法の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12470319
研究機関三重大学

研究代表者

丸山 一男  三重大学, 医学部, 教授 (20181828)

研究分担者 天野 誉  三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (90231993)
丸山 淳子  三重大学, 医学部, 講師 (50263017)
キーワード肺高血圧 / 一酸化窒素
研究概要

肺高血圧モデルとして慢性低酸素(1/2気圧、吸入気酸素濃度10%)暴露ラットを用いた。肺内および肺外より肺動脈を摘出し、張力変化と同時に細胞内カルシウム濃度の変化を測定した。一酸化窒素は細胞内のグアニル酸シクラーゼを活性化し細胞内サイクリックGMPを増加させる。肺高血圧血管と正常血管では、血管平滑筋側のNOに対する弛緩反応が肺高血圧で抑制されている。内皮よりNO産生を促すアセチルコリンの反応も肺高血圧で低下している。一方、NOと同様細胞内サイクリックGMPを増加させる心房利尿ペプチド(ANP)による弛緩反応は肺高血圧血管でむしろ亢進した。8ブロモサイクリックGMPによる弛緩は、肺高血圧血管、正常血管で差がなかったので、収縮蛋白自体の弛緩能力は肺高血圧と正常血管で差がない可能性がある。サイクリックGMP依存性のプロテインキナーゼにより、細胞内カルシウム濃度の調節がおこなわれている可能性があるので今後の検討課題である。肺高血圧血管では、細胞内サイクリックGMPを上昇までの過程に異常があり、細胞内可溶性グアニル酸シクラーゼや、ANP受容体の変化が推定されるが、受容体の数、密度、受容体に結合するGタンパク、Gタンパクに連動するグアニル酸シクラーゼが今後の検討課題である。外部からNO吸入を行った時の内因性NO産生能やグアニル酸シクラーゼの変化は未解明である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mitani Y. et al.: "Modulated vasodilator responses to natriuretic peptides in rats exposed to chronic hypoixa"Eur.Respir.J. 15. 400-406 (2000)

  • [文献書誌] 丸山一男 他: "小児急性循環・呼吸不全における一酸化窒素吸入の役割"日本集中治療学会誌. 7. 179-189 (2000)

  • [文献書誌] 天野誉 他: "低酸素による遺伝子発現プロフィール変化の解析"ICUとCCU. 24(5). 327-333 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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