研究概要 |
今年度は,15名の悪性高熱症関連疾患で,筋生検を行いCICR速度の測定を行った.12例は他施設で筋生検後当教室に輸送された.残り3例は当施設で筋生検を行った.患者の内訳は劇症悪性高熱症1例,亜型悪性高熱症3例,術後悪性高熱症3例,悪性高熱症の家族歴4例,高CPK血症2例,筋疾患2例であった. CICR速度は,劇症悪性高熱症の1例で亢進が認められた.しかし残りの14例では亢進は認められなかった.この14例のなかの1例(亜型悪性高熱症)では,骨格筋小胞体からのカルシウムの漏れだし速度が異常に速かった. 骨格筋細胞の培養は,15例中11例で成功した.3例は培養中の感染で,1例は骨格筋細胞の増殖が認められなかった.新しいより簡便な方法を検討中である.培養に成功した骨格筋細胞は-70℃で冷凍保存した. 遺伝子検索については,1例の骨格筋細胞を大量に増殖培養させて,DNAを抽出することに成功した.現在はSSCP法をおこなうための条件を模索中である.
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