研究概要 |
平成13年度は,15名の悪性高熱症関連疾患患者の筋生検を行いCICR速度を測定した.全例他施設で節生検を行った後,当教室に宅急便で輸送された.患者の内訳は劇症悪性高熱症1例,亜型悪性高熱症4例,悪性高熱症(型は不明)の既往2例,術後悪性高熱症1例,悪性高熱症の家族歴5例,高CPK血症1例,筋疾患(Central Core Disease ; CCD)1例であった. CICR速度は,劇症悪性高熱症の1例,CCDの1例,MHの既往1例とその家族3例の計6例で亢進が認められた。残りの9例では亢進は認められなかった。 骨格筋細胞の培養は,15例中13例で試みた.3例は培養中に真菌感染が認められた.抗真菌剤を培養液に加えると2例で骨格筋細胞の増殖がほとんど認められなかった.しかし,8例では衛生細胞の培養に成功した.培養に成功した骨格筋衛生細胞は-70℃で一旦冷凍保存した. この中の4例を解凍して骨格筋の筋管細胞まで培養してこれらの細胞のカルシウム動態を検討した.カルシウム画像解析装置により,カフェイン刺激による筋管細胞内のカルシウム濃度の測定を行った.CICR速度の非亢進2例では、カフェイン濃度が2.5mMで,亢進2例ではカフェイン1mMで筋管細胞内のカルシウム濃度の上昇を示唆するratio340/380の増加が観察された.カフェインによる反応は10mMプロカインでほとんど抑制された.昨年度に加えCICR亢進3例,非亢進5症例となった.CICR速度の亢進と非亢進で,カフェイン刺激でカルシウム濃度の上昇に有意な差が認められるかどうか検討を続ける予定である。 今回CICRが亢進してい家系が1家系発見された.遺伝子検索については,SSCP法をおこなうための条件を模索中である.
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