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2002 年度 実績報告書

脳細胞環境系を考慮した脳保護機構の解明・新規脳蘇生への試み

研究課題

研究課題/領域番号 12470324
研究機関東京医科大学

研究代表者

一色 淳  東京医科大学, 医学部, 教授 (60074796)

研究分担者 濱田 良一  東京医科大学, 医学部, 講師 (50246279)
三浦 仁  東京医科大学, 医学部, 講師 (50246302)
渡辺 泰雄  東京医科大学, 医学部, 助教授 (70183720)
キーワード細胞環境系 / LPS / グルタミン酸 / TNFα / 神経細胞 / グリア細胞 / 脳内免疫系 / サイトカイン療法
研究概要

本研究は、各種刺激によって生じる脳神経障害時のTNFαの変動を解析し、脳細胞環境系におけるTNFαの役割の解明を目的とした。
「方法」生後8日齢のラット小脳から顆粒細胞を採取し、神経細胞が豊富な群・グリア細胞が豊富な群・神経細胞とグリア細胞が共存する群の3系統に初代培養細胞を群別した。それぞれに含まれるグリア細胞(Astrocyte)の割合は10-13%・100%・40-60%であった。
細胞刺激には0.5-20μg/mlのLipopolysaaccharide (LPS)および0.5-10mM glutamate (Glu)を用いた。培養細胞は底面が低蛍光性の特製ガラスを施したマイクロプレートに播種し、calcein-AM法により蛍光光度計で測定を行った。細胞外のTNFα濃度の測定はELISA法を施行した。
「結果」LPS処理から12時間後に神経細胞が豊富な群とグリア細胞が豊富な群で有意な神経細胞死の発現が認められた。高濃度(10mM)Glu処理では3系統すべての細胞群で時間経過に伴った有意な細胞死が観察された。LPSならびにGluの刺激によって細胞外TNFαは発現したが、LPS誘発TNFαの産生は処理後2時間以内に有意な上昇を始め、その値はGlu誘発TNFαより有意な差を持って高値であった。またこの上昇は神経-グリア細胞共存細胞群とグリアの豊富な群で認められたが、神経細胞が豊富な群では認められなかった。1.0mM Glu誘発TNFαは処理後6時間から発現し、これはグリア細胞が豊富な群にのみ認められた。
「考察」本研究において、TNFαはグリア細胞から産生されることを明らかとした。Gluはnecrosis/apoptosisを起こすような細胞内の経路を介し細胞死を誘発すると考えられ、TNFαはGlu誘発の細胞死において重要な因子ではないことが明らかとなった。一方、LPS刺激により細胞膜が障害をうけ、細胞外から持続的なCa^<++>が流入することによりTNFα産生を引き起こすと考えられる。こうして生じたサイトカインは細胞障害の調節とは独立した役割を持っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Hamano: "Regulation of brain cell environment on neuronal protection : role of TNFα in glia cells"Life Sciences. 72. 565-574 (2002)

  • [文献書誌] S.Matsumoto: "Restricted clinical efficacy of cyclosporin A on rat transient middle cerebral artery occlusion"Life Sciences. 72. 591-600 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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