研究課題/領域番号 |
12470325
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小柳 知彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80001923)
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研究分担者 |
村雲 雅志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90261304)
柿崎 秀宏 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (10241324)
野々村 克也 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60113750)
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キーワード | 膀胱尿管逆流(VUR) / 男児 / 先天性リング状尿道狭窄(Cobb'sカラー) / 下部尿路症状 / 不安定膀胱 / 経尿道的切開 |
研究概要 |
先天性男児尿道リング状狭窄(いわゆるCobb's collar)の臨床的意義について検討した。対象とした男児は過去5年間当科で経験した74名で平均年令は5才、54%が有熱性尿路感染をし、他夜尿症、尿失禁、血尿あるいは出生前エコーにて尿路拡張等を有していた。下部尿路症状を有する3才以上男児には膀胱内圧検査を31名に施行、27名(89%)に不安定膀胱を認めた。確定診断は小児用ミニアチュア膀胱・尿道鏡(10F)にて成されその場で電極ナイフまたはコールドナイフにて経尿道的に切開(TUI)を加えた。54%にVURを認めたがTUIにて28%で消失、64%で改善した。有熱性尿路感染は95%でコントロール可能であった。抗コリン剤の併用を要したが尿失禁・夜尿症も同様に高率にコントロールされた。13例に狭窄の再発を認めたがその多くが電極ナイフを用いたものであった。結局TUIによる尿道狭窄治療は93%の寛解率を得た。VUR、下部尿路症状を呈する男児では本症を念頭に診断・治療にあたるべきでその際TUIは極めて有効な方法であった。
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